同一資産クラスのインデックスファンドでもベンチマークが同じとは限らない

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インデックスファンドの商品選択をする際、同じ資産クラスの中にベンチマークが複数あって選択を迷う場合があります。

同じ資産クラスなのに異なる指数をベンチマークとしているケースでは一体どんな違いがあるのか解説します。

1.MSCIとFTSE

インデックスファンドに投資するケースで迷うとしたら、MSCIFTSEの2つの選択でしょう。

(1)MSCI

MSCI(Morgan Stanley Capital International)は各種金融指数の算出・公表をしているアメリカ合衆国の企業です。

日本では「MSCI-KOKUSAIインデックス」という日本を除く先進国の株価を対象とした指数が最も有名でしょうか。

インデックスファンドに投資している投資家には最もメジャーな指数算出企業かも知れませんね。

(2)FTSE

FTSEインターナショナル(FTSE Internatinal,Ltd.)は各種金融指数の算出・公表をしているイギリスの企業です。
最近はFTSE Russellの商標(ブランド?)で事業を行っているようですね。

楽天バンガードやSBIの雪だるまシリーズの投資先ETFであるバンガード社のETFがFTSEの指数をベンチマークとしている為、FTSEという名前を目にする機会も多いと思います。

ベンチマーク

2.MSCIとFTSEで何が違うの?

ではこの2社の指数で何が違うのか見ていきましょう。

(1)先進国株式の場合

先進国株式の場合は下記の2つの指数に連動するインデックスファンドが大半です。

MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)
FTSEディべロップド・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)

この二つの違いをまとめると下記の通りです。

MSCIコクサイ・インデックス FTSEディべロップド・オールキャップ
・インデックス
投資対象国先進国22カ国先進国24カ国
日本含まない含む
対象銘柄大型株と中型株のみ大・中・小型株
銘柄数13005600

MSCIは日本と韓国を含みません(韓国はMSCIでは新興国)がFTSEは含んでいます。

また、MSCIが大型株と中型株のみを対象としているのに対し、FTSEは小型株まで対象としていますので銘柄数はかなり多いですね。

対象国や投資銘柄が異なりますので、国別の投資割合や投資セクターの割合も当然異なります。

(2)新興国株式の場合

新興国株式の場合は下記の2つです。

・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)
・FTSE エマージング・インデックス(円換算ベース)

こちらの2つの指数の違いをまとめてみましょう。

MSCIエマージング・マーケット
・インデックス
FTSE エマージング・インデックス
投資対象国新興国26カ国新興国24カ国
対象銘柄大型株と中型株大型株と中型株
銘柄数14001700

MSCIは2カ国対象国が多くなっていますが、これはアルゼンチンと韓国を含んでいるためですね。

銘柄数はFTSEの方が多くなっています。

ここでは示していませんが、投資額の国別割合やセクター別の割合もそれぞれお互いに異なります。

(3)その他の違い

・パフォーマンス
投資対象が異なる為、パフォーマンスが違ってきます。
ただし、過去の投資成績が未来の成績を保証する訳ではありません。

・使用料
一般投資家には見えないコストですが、ファンドのベンチマークとして指数を使用する場合、ファンド(運用会社)はその指数の管理者(MSCIやFTSE)に使用料を支払う必要があります。
バンガード社の動向(過去にETFのベンチマークをFTSEに変更した事がある)を見る限りではFTSEの方が使用量が安いようですね。
個人の勝手な推測です!実際は異なるかもしれません。)

3.注意が必要な場合

ベンチマークの違いによって、少し注意しなければいけないケースがあります。

(1)先進国株式にMSCIコクサイ、新興国株式ではFTSEエマージングに連動するファンドへ投資する場合

このケースでは投資対象国として韓国が抜け落ちています。

韓国に投資先として魅力が無いので投資したくない、という場合は構いませんが・・・恐らく少数派ですよね。

(2)先進国株式にFTSEディベロップド、新興国株式ではMSCIエマージングに連動するファンドへ投資する場合

このケースでは韓国がダブってしまいます。

韓国が市場として有望なので多めに投資したい、というレアケースを除いて普通は避けますよね。

また更に日本株式の資産クラスにも投資している場合は、日本への投資割合が多くなってしまうかも知れません。

4.指数は投資対象の組み入れ変更がある

かつてはMSCIでも韓国は新興国の指数に投資対象として組み込まれていました。

また新興国とフロンティア(次世代の新興国と見なされる国)の入れ替えなども割と頻繁に行われています。

国のカテゴリーの入れ替えだけではなく、銘柄の入れ替えという事態も起きます。

東証でも2部から1部に変更になったり、マザーズから1部に変わったりという事がありますよね。
そうなるとTOPIXの対象銘柄が増えることになりますし、TOPIXだけでなく日経平均も上場廃止などがあれば組み入れ銘柄が変更されます。

連動指数は同じでも中身は常に変化しています。

頻繁にウォッチする必要はありませんが、年に1回くらいは確認するのがいいでしょう。

まとめ

如何だったでしょうか。

資産クラスが同じでも指数によって中身がずいぶん違う事が分かって頂けたかと思います。

ほったらかしが基本でもたまには指数の中身を確認しましょう。

ではまた。





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