コロナウィルスの影響がヨーロッパやアメリカにも広がり、株価の下落が止まりません。
そんな中で冷静さを保つ為に、過去にも債券の値動きをウォッチし、分散の効果を考察してきました。
3月も半ばを過ぎた現在でもウィルスの終息が見通せない状況になっていますが、今回は過去2回よりももう少し長い期間での値動きの状況を確認して見たいと思います。
1.債券の資産クラスにおける価格変動
(1)国内債券
eMAXIS Slim国内国債券インデックスを例に年明け以降の基準価額変動を確認します。
年明け後の基準価額の最安値と最高値は、
最安値:10,238円(1月20日)
最高値:10,413円(3月9日)
1月はまだ株価の下落が起こっていなかった事を加味した場合、下落後の最安値は、
株価下落開始後の最安値:10,253円(3月16日)
となります。
直近は下落傾向ではありますが、本日(3月17日)時点では年明け以降の最安値を下回っていません。
つまり、1月20日を基準とするとまだプラス圏に留まっていることになります。
なお、期間中の最大下落率は3月9日から3月16日にかけての約-1.56%です。
(ただし、1月20日から3月9日にかけて約1.71%上昇しています。)
(2)海外債券
海外債券の場合はどうでしょうか。
同じくeMAXIS Slim先進国債券インデックスを例に確認していきます。
年明け後の基準価額の最安値と最高値は、
最安値:13,610円(1月8日)
最高値:14,211円(2月21日)
1月はまだ株価の下落が起こっていなかった事を加味した場合、下落後の最安値は、
株価下落開始後の最安値:13,639円(3月9日)
となります。
海外債券も国内債券同様直近では下落傾向なものの、本日(3月17日)時点では年明け以降の最安値を下回っていません。
こちらも1月8日を基準と考えた場合は、まだプラス圏に留まっていることになります。
また、国内債券の最高値が3月9日だったのに対し、海外債券の場合は株価下落後の最安値が3月9日となっています。
恐らく一気に円高が進んだ(3月9日に一時1ドル101.23円を記録)為でしょう。
一方で、国内債券の場合に比べ上下のピークが若干前倒しなものの、全体的なグラフの形は似ており、値動きの傾向は同じと言っていいでしょう。
なお、期間中の最大下落率は2月21日から3月9日にかけての約-4.19%です。
(ただし、1月8日から2月21日にかけて約4.42%上昇しています。)
2.株式の資産クラスにおける価格変動
次に株式の資産クラスを確認してみましょう。
(1)国内株式
国内株式はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を確認してみましょう。
年明け後の基準価額の最安値と最高値は、
最安値:8,496円(3月16日)
最高値:11,982円(1月20日)
です。
この間の下落率(=最大下落率)は約-29.1%です。
30%近い下落となってしまっています。
(2)先進国株式
先進国株式はeMAXIS Slim先進国株式インデックスを例にします。
年明け後の基準価額の最安値と最高値は、
最安値:9,349円(3月17日)
最高値:14,067円(2月21日)
です。
この間の下落率は約-33.5%です。
資産の1/3超が吹っ飛んだ計算ですね・・・
程度の差こそあれ、国内株式と海外株式はほとんど同じような値動きになっていますね。
海外株式の方が下落率が高いのは為替の影響でしょうか。
3.今の所、債券の値動きは期待通りに近い
年明けを付近を基準に考えると債券の資産クラスは騰落±0程度であり、株価が下落した後の騰落だけを考えても-5%未満に抑えられている事が分かりました。
株式の資産クラスが30%前後のマイナスとなっていることから考えると、十分な分散効果を発揮し得ると言っていいでしょう。
(ざっくり株式と債券を50%ずつ所有していた場合、資産全体の下落率は-15%前後に抑えられた計算になります。)
ただし、直近では株式に比べわずかとは言え下落傾向であることが見て取れます。
このまま株価が下落し続けた場合に、債権の値動きが一体どうなっていくのか引き続き観察して行きたいと思います。
コロナウィルスの影響を受けた後の各種経済指標が発表されるのはまだこれからですので、ひょっとすると株価の下落が止まらない可能性も捨てきれません。
各国で封鎖や外出禁止が始まってしまっていますので、経済活動がストップしているのは間違いないですからね・・・
まとめ
如何だったでしょうか。
債券の有効性云々よりも、コロナウィルスが収束し株価が回復するのが一番なんですけどね。
ではまた。