メリット・デメリットを知って、お得な非課税口座(NISA、iDeCo)で合法的に節税しよう

非課税増やす
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投資の際、非課税口座を使用する事で合法的に節税を行う事ができます。

確定拠出年金(iDeCo)やNISA、つみたてNISAなどの非課税口座の種類とそのメリット・デメリットについてまとめます。

1.非課税口座って何がお得なの?

非課税口座を利用した場合と利用しなかった場合について違いを見ていきましょう。

例)基準価額10,000円の投資信託を1口購入。基準価額20,000円に値上がりした時点ですべて売却した場合

この場合、購入時に支払う金額は、

10,000円×1口=10,000円

です。
一方で売却で得た金額は、

20,000円×1口=20,000円

となり、差引10,000円の売買差益(利益)が発生します。

通常の口座を利用して取引を実施する場合、この売買差益に対し20.315%の税金が発生します。
つまり、

20,000円×20.315%=4,063円

の税金を納める必要があります。

一方で上記取引を非課税口座で実施した場合、この4,063円の税金は発生しません。

売買手数料等は無視しています。
非課税の対象となるのは買付け代金だけで、各種手数料や消費税は対象外です。

2.非課税口座の種類ってどんなものがあるの?

確定拠出年金(iDeCo)、NISA、つみたてNISAといった非課税口座があります。

(1)確定拠出年金

老後資金の形成を目的に、事業主(雇用者)や加入者(被雇用者)が掛金を拠出し、加入者自身がその資産を運用を実施する年金制度です。

運用中に得た譲渡・配当利益は非課税となります。

企業が導入する「企業型確定拠出年金」と、個人で加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2種類があります。

※勤務先に確定拠出年金制度がある場合は企業型に加入することになります。無い場合は、自身で個人型に加入する事が可能です。

確定拠出年金用の口座を開設し、開設先の証券会社が用意した投資商品の中から運用商品を選択します。

投資商品はインデックスファンドやアクティブファンド等の投資信託が中心ですが、預貯金を選ぶ事ができる場合もあります。

最大の特徴は拠出額が全額所得控除される事でしょう。
運用の結果に左右されることなく、所得税と住民税を節税する事ができます。

一方で年金という性質上、拠出した資金は原則60歳まで引き出すことができません。

(2)NISA(少額投資非課税制度)

毎年120万円までの少額投資に対して、そこから得られる利益(譲渡・配当利益)が最大5年間非課税となる制度です。

2014年に開始され、2023年(2023年分の投資に関しては2028年まで非課税)までの期間限定の制度になります。

こちらも専用口座を別途開設する必要があります。

後述するつみたてNISAとの選択制になっており、どちらか1つの制度を利用することができます。

投資可能な商品は投資信託や上場株式となっており、個別株へ投資可能な非課税口座はNISAだけです。

前述の確定拠出年金や後述するつみたてNISAと比較して投資先の選択肢がもっとも広いのが特徴です。

(3)つみたてNISA

NISAと似たような制度ですが、毎年の投資枠と非課税期間が異なります。
NISAのでは120万円だった毎年の投資枠を40万円と低くする代わりに、非課税期間を5年から20年へ伸ばしています。

また、NISAでは2014年から2023年までの期間限定の制度でしたが、つみたてNISAは2018年から2037年の20年間の期間限定となっています。

なお、投資対象については金融庁が決定した投資信託もしくはETFから選ぶ必要があります。

非課税

3.非課税口座のメリット・デメリット

(1)メリット

譲渡・配当利益が非課税である事に尽きます。

確定拠出年金の場合は更に拠出額が全額所得控除されるというメリットが上乗せされます。

(2)デメリット:損益通算が出来ない

まず、共通して挙げられるのが、損益通算が出来ない事です。

一般口座であれば損失と利益を合算の上、利益が出た場合にのみその利益に課税されますが、非課税口座で損失が発生しても一般口座で発生した他の取引と損益通算することが出来ません。

(3)デメリット:利益が出ていないのに税金の支払いが必要な場合も

NISA・つみたてNISAの場合は非課税期間の終了後、売却をせずに一般口座に移管する場合があります。
この場合、移管した時点の評価額が取得価格と見なされる事になるのですが、これによって利益が発生していない(あるいは損失が発生している)のに税金を払わなければいけないケースがあります。

たとえば、下記のようなケースがあったとします。

A:2020年にNISA口座で投資信託を1口、10,000円で購入
B:2024年末に一般口座へ移管(この時点の基準価額8,000円)
C:2030年に基準価額10,000円で売却

この場合、8,000円で購入し10,000円で売却したと見なされるため、差額の2000円に対し税金を支払わなくてはなりません。

これが全て一般口座で行われた場合は10,000円で購入し、同額で売却しているので利益が発生しませんので、当然税金も発生しません。

こういった事態が発生する場合もあり得るという事です。

(4)デメリット:確定拠出年金は60歳になるまで引き出せない

NISA、つみたてNISAに関しては随時売却が可能ですが、確定拠出年金は60歳になるまで原則として引き出すことができません。

何らかの事情で資金が必要になったとしても引き出すことが出来ないという危険性があります。

一方で裏を返すと、厚生年金等と同じく自己破産になったとしても債権者に持っていかれる心配が無い、というメリットも・・・

(5)デメリット:確定拠出年金は手数料がかかる

確定拠出年金は毎月一定の手数料がかかります。

iDeCoの場合、

国民年金基金連合会の手数料が毎月105円
信託銀行への資産管理手数料が毎月66円

必ず発生します。
また金融機関によっては更に運営管理手数料(数百円程度)を上乗せして徴収している場合もあります。

極力コストの安い金融機関を選びたいですね。

(6)投資商品が限られる

それぞれ運用対象となっている金融商品が限定されています。

また、どの証券会社によっては扱っていない商品もある為、非課税口座をどの証券会社で開設するかは慎重に決めて下さい。

個別株についてはNISA口座のみが対象です。

まとめ

如何だったでしょうか。

仕組みが複雑でわかりにくい部分もありますが、非課税口座を上手く活用できれば合法的に節税できます。

是非活用を検討してみて下さい。


ではまた。

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