年金を始めとする老後資金の問題がクローズアップされる中で、お金を増やす手段として投資に興味を持つ方も増えています。
一方で新型コロナウィルスの影響で株価や為替が大きく変動しており、改めて投資は怖いと考える方も多いハズ。
今回は、これから投資を始めようとする方、既に投資を始めた方を問わずもう一度よく考えて欲しい事について書いていきます。
1.投資はお金を増やす手段の一つに過ぎない
(1)可処分所得を増やす方向性は二つ
可処分所得(自分の意思で自由に使えるお金)を増やす手段は投資だけではありません。
可処分所得を増やす手段は大きく分けて二つです。
・収入を増やす
・支出を減らす
当たり前ですね。
投資は「収入を増やす」に含まれることになります。
(2)収入を増やす手段
では、収入を増やすにはどのような手段があるでしょうか。
A:転職を伴わない給与上昇(例えば昇進)
B:転職
C:副業
D:投資 ・投機
E:遺産相続
F:ギャンブル(宝くじ、パチンコ、競馬)
G:懸賞
H:その他
最初の二つは給与上昇させる方法です。
Cは様々あると思いますが、アルバイトをして給与を貰う、会社を起こして事業を行うといった事もあります。
ブログで収入を得るのもコチラに該当しますね。
不動産への投資も一部該当します。
Dの場合は株や債券等の有価証券と売買や配当で収入を得る手段です。FXや先物取引もここに含まれます。不動産への投資も一部該当します。
FやGは読んで字のごとくです。
以上のように収入を増やす方法は投資だけとは限りません。
投資は有効な手段の1つですが、投資”だけ”にこだわる必要は無いんです。
昇進や転職で年収UPを狙うのも良いですし、副業で稼ぐのもアリです。
(3)収入を増やすだけでなく、支出を減らす事も忘れずに
書いといて何ですが、莫大な遺産を相続したとか、宝くじで1億当たったなんて事は普通の一般人には起こりません(笑)
なので収入を増やす事を試みると同時に支出を減らす事も考えないと可処分所得は増えていきません。
必ず、支出を減らす事も検討して下さい。
例えば、
・家賃の削減(安い物件に引っ越す)
・保険の見直し(不必要な保険を削る、もしくは乗り換える)
・光熱費の削減(電気・ガスの乗り換え、家電の買い替え等々)
・通信費の削減(インターネット回線の見直し、格安SIMの利用等々)
・節税(ふるさと納税、確定拠出年金(iDeCo)、NISA、住宅ローン減税等々)
・クレジットカードの利用(ポイント付与による実質値引き)
等々、人によって事情が異なると思いますが、手段は無数にあるはずです。
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2.家計の全体像の把握は基本中の基本
(1)家計収支をそらで言えるか?
家計の収支状況をきちんと把握できているでしょうか。
家計簿をつけていて1円単位で把握しているのなら言う事ナシですが、つけてなくても構いません。
月単位で大まかに(少なくとも1万円単位)で把握できていれば及第点でしょう。
例えば、
・手取り収入 20万
・家賃 5万円
・光熱水道 あわせて8千円
・通信費 あわせて5千円
・食費 5万円
・交際費 2万円
・その他 5千円
・差引6万2千円のプラス
といった計算がすぐ出てくる、かつ合っているのなら大丈夫だと思います。
逆に実際計算してみたら1万円単位でズレているとか、クレジットカードの明細を見ても何に使ったか思い出せない、といった場合は要注意です。
家計簿(簡単なもので十分)をつけてみる事をオススメします。
ここが出来ていないと、投資に回しても良い金額がそもそも割り出せません。
また支出を削ろうにも何を削っていいのかわかりません。
(そもそも何にいくら払っているのかがわからないので・・・)
そういう方はまず、家計の全体像を把握する事を優先して下さい。
(2)可能であれば月単位だけでなく年単位の収支も
家計収支を月単位で把握する事も大切ですが、できれば年単位でも把握しておきたい所です。
何故かと言うと、収入や支出は月によってばらつく事がありますよね。
真夏や真冬は光熱費が高いでしょうし、お盆や年末年始には旅行に出かけて出費が増えたり、繁忙期は残業が多いので収入が増えます。
月単位の収支だけだと、こういった季節性の変動要素による影響が大きく出てしまいます。
これが年単位の収支であれば、季節性の変動要素に左右されずに家計の健全度を確認する事が出来ます。
年単位の収支は1万円単位で把握できていれば十分でしょう。
3.正しい知識を持った上で投資を
(1)生活防衛資金は必ず確保
たとえば失業して収入が途絶えたとしても、ある程度の期間生活できるだけの資金を投資とは別に確保しておきましょう。
一般的には3ヶ月~2年分の生活費を用意すべきと言われています。
ずいぶん幅がありますが、これは想定する事態が異なり人によって考え方が異なる為です。
例えば会社が倒産するようなケースであれば、収入が途絶えるものの失うのは会社員という身分だけです。
この場合は3ヶ月から6ヶ月あれば再就職できるケースがほとんどでしょう。
一方で大規模な災害の被害を受ける場合はどうでしょうか。
家財道具にも被害が出るでしょうし、ひょっとするとケガで入院するかもしれません。
このケースでは被災前と同水準の生活ができるようになるためには年単位の時間が必要になる可能性も否定できません。
一方で、2年分の生活費の貯蓄をしようと思ったらいつまでも投資なんかできない、という意見もあると思います。
それはその通りです。
なのであとは自身でそのバランスを判断するしかありません。
自身が決めた生活防衛資金が貯まるまで投資を一切しないという事でもいいですし、数か月分の生活防衛資金を確保したら残りは全て投資に回しても良いでしょう。
あるいは、投資をしながら生活防衛資金も貯める、というスタンスでも構いません。
いずれにしても、自身で考え決める事が重要です。
(2)投資は必ず儲かるとは限らない
必ず儲かる投資はありません。
どんな投資でも損が出る可能性があります。
ただし、リスク(危険度ではなく、資産の変動幅の意味)とリターンは投資先の商品によって異なります。
基本的にリスクが高ければリターンが高く、リターンが低ければリスクも低くなる傾向があります。
またハイリスクなのにローリターンという投資は存在しますが、ローリスク/ハイリターンの投資は存在しません。
あるとすれば詐欺か、リスクが表に現れていないだけ、もしくは過去の一定期間を切り取ってそう見せかけているだけです。
例えば、インデックスファンドは比較的負けにくい投資商品ですが、株式に投資を行うインデックスファンドはリーマンショック級の暴落が起きると基準価額が50%程度暴落します。
つまり価値が半分になります。
また先物取引やFX取引といった投機商品では自身の投資元本以上に損失が膨らむ場合があります。
投資・投機を行う場合はこういったリスクをわかった上で実施して下さい。
逆に、こういったリスクを許容できないのであれば、投資や投機商品を購入すべきではありません。
インデックスファンドについてはコチラ
(3)預貯金も安泰とは限らない
だからといって、普通預金や定期預金が必ずしも安泰という訳ではありません。
例えば銀行が破綻した場合、保護されるのは1000万円までですし、引き出すには相当の時間を要するでしょう。
またここ30年程はほとんど問題になっていませんが、預貯金はインフレーション局面では価値が(相対的に)目減りします。
あるいは円安が大幅に進んだ場合、相対的に価値が目減りする可能性があります。(理論上は金利で相殺される)
日本円での額面が減っていないからといって価値が変わっていないとは限りません。
4.一つに集中せず、組み合わせよう
収入を増やす手段として投資だけに集中せず、本業の収入アップや副業での収入を得る事を組み合わせましょう。
複数の収入源を作る事ができれば、どれか1つが途絶えても精神的な負荷が全然違います。
また投資や副業で得た知識が本業に生かせる場面も出てくるかもしれません。
同時に支出を無理のない範囲で削減する事も考えましょう。
1つ1つは小さくても組み合わせる事で効果は大きくなります。
また何か1つを極端に行うのはどうしても無理が出ますし、限界があります。
継続して行う事が出来なければ意味がありません。
まとめ
如何だったでしょうか。
投資だけにとらわれる事無く、収入を増やす手段や支出を減らす方法を考えましょう。
ではまた。